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​ヨーガ断食のすすめ

友永ヨーガ学院では、1980年代から、100回以上に渡って断食講座を開講しています。

第116回目から、「食べるヨーガ断食」と名前を変更して、より安全に行えるように減食、復食の方法を見直しました。

こちらでは、なぜ、現代に生きるわたしたちに断食が大切なのか、そして、断食はわたしたちにどんな利益をもたらすのか、ご紹介したいと思います。

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<わたしたちは食べ物によって生きている>

わたしたちの身体は、一部、母体からもらったものをのぞいて 、すべては食べた物からできています。

口内で咀嚼され、胃腸で消化され、吸収され、血液に乗って全身に行き渡り、新しく細胞を支えます。

また、さまざまな形のエネルギーとなって  、わたしたちを動かします。


今、このように画面を見て、文章を読み進めてくださるのも、皆さんが食べたものがエネルギーとして働いているから。

こうしたエネルギー、つまり食糧を、より効率よく、無駄なく、滞りなく食べて、消化して、必要なところに、必要なだけ届けて、自分の理想とするように頭脳と身体を動かす。

これが理想ですね。

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<「理想の状態」を保つのは至難の業>

でも、ぴったり、自分の理想どおりに食べるというのは、非常に難しいことです。

それには、大きく三つの理由があります。


一つは、わたしたちの身体の習性です。

人類の歴史をひも解くと、わたしたちが余分に食べられるようになったのは、このほんの何十年か。

それまでは、栄養過多になることは稀でした。日本でも、江戸末期から明治、そして戦中戦後にかけて、食糧難の時代がありました。

ですから、わたしたちの身体は、いつでも栄養を欲するようにできています。そして、余分な分をなんとかして身体に蓄えようとします。つまり、いつでも蓄えようとするのが、わたしたちの習性と言えます。

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もう一つは、食料が商品として、流通することが多くなったことからです。

自分で育てたり、もらったりした農産物、海産物、畜産物を食べられる人は稀です。

特に都会では、この100年くらいの間に、ほぼすべての食品が商品として流通しているものとなりました。

そこで、より多くの利潤を得るために、わたしたちの感覚を刺激する味、パッケージ、宣伝が常に刷新されています。

身体はいつも蓄えようとするし、商品としての食料の宣伝は、いつも目新しい。

これでは、ちょうどよく食べるというのは、至難の業です。

​その上、さまざまなストレスがあります。

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ほぼ24時間、スマホが常時インターネットに接続されている状態では、わたしたちの脳神経は、休まる暇がありません。

脳神経の使い過ぎは、自律神経を混乱させ、気持ちを緊張状態に置きます。

その緊張状態をゆるめる一番インスタントな方法が食べることです。

ほっとしたいために手に取る甘い食べもの、飲み物、あるいは、アルコールやその肴。

テレビやネットのコマーシャルでは、常にそうした商品が非常に魅力的にわたしたちの感覚を捉えようと準備をしています。

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​<わたしたちは食べ物によって、不幸にもなる>

そう、ということで、わたしたちは容易に食べ過ぎます。

食べ過ぎの害は、ざっと挙げると以下のようなものでしょうか。

肥満: 過剰なカロリー摂取は、肥満の原因となります。肥満は、心血管疾患や糖尿病などの慢性疾患のリスクを高める可能性があります。


心血管疾患: 高カロリー・高脂肪の食事は、動脈硬化や高血圧などの心血管疾患のリスクを増加させる可能性があります。


糖尿病: 過剰な摂取により、インスリンの分泌が乱れ、糖尿病の発症リスクが高まる可能性があります。


消化器官の負担: 過剰な食事は消化器官に負担をかけ、消化不良や胃酸逆流などの問題を引き起こす可能性があります。


精神的な問題: 過食や食べ過ぎは、精神的なストレスや自己イメージの悪化を引き起こす可能性があります。


また。近年は、腸の研究が進み、食べ物の質と量が、腸内細菌の種類と数を決め、腸内細菌の種類と数が、今度は、わたしたちのさまざまな面を決めることが分かっています。

それによれば、


・免疫力

・気分、情動、集中力

・幸せ度

・骨密度

・太り易さ、体形

・老化(認知症のなりやすさなど)

・病気のなりやすさ(がん、認知症、うつ病)

・肌の質

などなどは、食べるものを変えれば、大きく向上するということです。


つまりは、わたしたちは、食べ物によって生かされている反面、食べ物によって、気分が左右され、容貌が衰え、病気になり、不幸せになっていると言えます。

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<だからヨーガ断食を>

ヨーガはそうした人間の性向、性質を、その昔からよく見抜いていました。

ヨーガは感覚(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を操って、人生を誤った方向へ引っ張って行ってしまうさまざまな欲から距離を置くために、さまざまな方法を用意してくれており、断食もその一つです。

現代最高のグルと称えられ、経験豊かな西洋医でもあったスワミ・シバナンダは、断食をこのように讃えています。

 

<スワミ・シバナンダの進める断食>

 

「断食は実に、多くの慢性の不調を早く治す効果があります。腸に休息を与え、体内の毒素を排出します身体を浄化するため、よりエネルギッシュになります。多くの病気を治すことができます。

ヨーガの修行では、長期の断食は戒められています。それは心身を弱くするからです。ときおりの、マイルドな断食は非常に有効でしょう。身体の各器官を癒し、胃腸を休め、尿酸値を正常に戻します。」(”Health and Happiness” Swami Sivananda, The Divine Life Society, 1950 より抜粋)


<友永ヨーガのヨーガ断食>


 

わたくしどものヨーガ断食では、ヨーガを行いながら断食をします。


何もしないで断食を行うより、食欲をやり過ごしやすく、胃腸を上手に休めながら、全身を逆さにし、伸ばし、縮め、ねじり、その上でよく歩くことで、心身のデトックスが可能になります。

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「食べるヨーガ断食」の講座の中心をなすのは、実は復食です。


食べない状態から、少しずつ食べていくのが最も難しいものです。食欲という強力な欲が立ち上がってくるからです。


すべてが凍り付いた冬が、「食べない」と決めて過ごす本断食とすれば、「食べてもいい」といいとなる復食は、春の芽吹きのようなものです。

春の訪れがダイナミックで爆発的なように、復食中は時に自分でもコントロールできないほどの欲求に突き動かされそうになります。

せっかく胃腸を休めて、これから、消化吸収、排泄をしっかりできるよう、赤ちゃんが離乳食から始めるように食べていこうというところに、どかっと断食前の頭のまま食べてしまうと、胃腸はぐったり疲弊してしまいます。

 

これでは、せっかく断食をしたのに逆効果になってしまいます。

そう、断食は、「食べない」よりも、「食べる」が難しいのです。


ですから、「断食は復食にあり」です。

どう復食をして、どのように、その復食を生活になじませていくかが、断食の効用を決めていくのです。

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実際のスケジュール
​普段の食事に戻すのに、ゆっくり時間をかけます

そう、ここまでお読みいただけたら、断食はヨーガと、そして、瞑想とともに行うことが、非常に大切であることが分かって頂けたと思います。


断食の後、自分の胃腸に、身体に様子を聞きながら、少しずつ、ゆっくり復食をしていく。


そこで、さまざまに引っ張られそうになる感覚を自分の元においておく。


心を静かにして、何が一番自分に大切かを聞いてみる。


こうしたことは、すべてヨーガ的、瞑想的な時間があって、初めて可能になります。

 

心身ともに健康で、満ち足りた毎日を過ごすための断食です。

断食は必ず、ヨーガとともに、慎重に行ってください。

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